甘く見ると大変なことに。犬のフィラリア症から愛犬を守ろう!
毎年4月頃になると、フィラリアの予防接種のお知らせが、動物病院から届きますよね。
毎年結構な金額をかけて受けさせているけれど、犬に本当に毎年必要な対策なのかな、と思っている方も少なくないはずです。
愛犬の通院やお手入れといった、定期的にかかってくる費用は、犬を飼う人、誰もが抱えている悩みです。
しかし、予防に越したことはないけれど、もし病気かかってしまったら、その時になってから治療するのでもいいんじゃないの、と思っているなら、それは大きな間違いです。
1度フィラリア症に感染してしまったら?
もちろん、1度感染してしまっても、駆除薬を使って、体内のフィラリアを殺してしまうこと自体はすごく難しい、というわけではありません。
しかし、フィラリア症は、完治が難しく、感染犬の生存率も低いといわれています。
体内のフィラリアの駆除は難しくないのに何故?と思われませんか?それは、寄生虫の感染症が怖い由縁でもあるんです。
駆除薬を投与すると、フィラリアは死にます。しかし、そのフィラリアの死骸は、愛犬の体の中に残ることになるんです。フィラリアの幼虫や成虫は、愛犬の体の臓器や血管など、至る所に飛散しています。大量の死骸が、血管に詰まってしまったことが原因で、愛犬の体に危険が及ぶことは少なくありません。
また、仮にフィラリアの駆除の反動に愛犬の体が耐えられても、フィラリアが長い間、愛犬の体を蝕んでいた事実はなくなりません。
傷つけられていた血管や臓器が、別の病気を引き起こす、というフィラリア症の後遺症ともいえる負の産物が原因で、愛犬を死に至らしめてしまうこともあるのです。
どうしてフィラリア症に感染してしまうの?
最も大きな原因は、予防をしていなかったから、ということにつきます。
ただし、免疫力がひどく低下していると、予防接種を受けた愛犬でも症状を発症してしまう可能性はゼロではありません。
フィラリアの感染経路は、蚊に刺されることが原因です。フィラリアは蚊を媒介として犬に感染する寄生虫です。夏場に蚊が出るイメージもあるとは思いますが、時期は4月から10月の間と言われます。
散歩中に刺される室内犬も少なくありませんが、フィラリア症の感染率はやはり、蚊の出現率も相まって、室外で飼われる犬の方が多いようです。
不安なら、愛犬に検査をうけさせましょう。
今まで、フィラリアの予防薬など飲ませていなかった、という人は、検査を受けて感染しているか調べてもらった方がいいでしょう。
仮に感染して長期間たっている場合は、翌年から急にフィラリア駆除薬を摂取した場合、先ほど述べだように、体内で大量のフィラリアの死体が出ることが原因で愛犬がダメージを受ける可能性もあるからです。
検査では、血液をとって、抗原検査を行います。これは、血液中に、フィラリアの成虫の出す分泌物があると、反応があり、フィラリアに感染していることがわかる、といった内容の検査です。
メリットは、顕微鏡などで目視で行う検査ではないので、確実な発見につなげられるということ。デメリットは、体内に成虫がいる場合しか、反応がわからない、ということです。
つまり、この検査で感染が分かった場合は、愛犬が寄生虫に感染し、体内を蝕まれてからかなり経っているということになります。病状もかなり進行しているということです。
このことからも、愛犬を飼い始めたら、最初の年からフィラリア予防の対策をとることが如何に大切かということがわかります。
そもそもフィラリアはどういう寄生虫なんだろう?
フィラリアは、蚊を媒介に感染する寄生虫感染症です。
蚊に刺されて、フィラリアに感染しても、症状がすぐに出ないため、発見が遅れることもしばしばあると言われています。
発症するまでの潜伏期間が長く、感染してから症状が出るまで約半年程の間、感染犬の中でこれといった症状もないまま成長していきます。
体内の寄生虫の幼虫が血管をとおって体内の様々な場所に広がっていく際に、肺に入り込んで、その結果、感染犬が咳をする、という症状が比較的早く現れる症状としてあげられますが、基本的に初期症状はない、といっていいでしょう。
食欲不振がひどくなったり、嘔吐を繰り返したり、お腹に水がたまってお腹がはってくるなど目に見えて飼い主が確認できる状態になった時は、すでにかなり病態が進行しています。
適切な予防や治療が行われないまま、フィラリアの幼虫が体の中で成虫となると、成虫は感染犬の心臓の中で何年もの間生き続け、その間寄生した宿主の体の中で内壁を傷つけながら移動・成長していきます。また、成長していく期間は、感染犬が本来成長や体調の維持に使うはずの養分をフィラリアが横取りしており、犬のエネルギーは奪われ続け、免疫が下がり続けていっており、愛犬が危険な状態にある、ということを意味しています。
フィラリア予防の種類と値段
フィラリア予防は、必ず行っていかなければならない、ということがこれでお分かりになられたと思います。
では、具体的にフィラリアの予防について、方法やかかってくる金額を詳しくご紹介します。
フィラリア予防の手段には、3種類の方法があります。
それは「注射をする」「スポットオンタイプ」「薬を飲む」の3種類です。
@注射のメリット・デメリット
注射タイプのメリットは、年1回で済む、ということです。
約7か月間続けて投薬しなければならな他の2つとは違い、注射タイプは時期になったら病院で1回打ってもらうことで完結します。
動物病院は診察料などが一律ではありませんので病院によって値段も異なりますが、注射タイプはおおよそ7000円で受けられると考えていいでしょう。
注射タイプのデメリットは、接種後はお風呂に入ることや運動をすることがNGになる、という点です。
特に接種当日は、安静にしていなければ、注射の副作用で顔が腫れたりするなど、体調を崩してしまいますので、要注意です。
Aスポットオンタイプのメリット・デメリット
スポットオンタイプは、薬と同じで、5月頃から約7か月間、月に1回愛犬の背中に垂らしてあげる必要があります。
注射と違って痛みはありませんし、薬と違って嫌がって食べないということもありませんので、愛犬に負担が少ないことがメリットと言えます。
スポットオンタイプのデメリットは、値段が高いことです。7回分でおおよそ13000円ほどがかかってきます。
B1番人気、薬を飲むタイプ
フィラリア予防に関しては、薬を飲むタイプが3種類の選択肢の中で最も人気があるようです。
注射のように副作用が出る不安も少ないことや、スポットオンタイプほど費用が高額にならないことが大きいようです。
世界で初めて月1回の経口摂取でフィラリアを予防できる効果を持つ薬として発表されたのが、「カルドメック」という薬です。
メリットは、注射のように運動やお風呂が制限されないこと、金額は7回分でおおよそ7000円とスポットオンタイプのように高額ではないことです。
現在は錠剤のほかにジャーキーになったタイプもあり、愛犬もおやつ感覚で一口食べるだけと、犬への負担も考えられています。
カルドメックをあげていえば、フィラリアの他に回虫といった小腸に寄生する寄生虫も同時に駆除してくれる作用を併せ持っている点も、メリットとしてあげられます。
デメリットとしては、まず飲み忘れの心配があることです。約7か月間の間は決まった時期に与えなければなりませんので、しっかり飼い主さんが管理をする必要があります。
また、夏場にはノミ、ダニも多く発生しますが、フィラリアの薬とノミ、ダニの薬を同日に併用してはいけないことを知っておかなければいけない点も重要です。
これは、もし薬を飲んで体調が悪くなった際に、どちらの薬が影響して体に異常が起きたのか、わからなくなってしまうからです。
普段動物病院で指示されるまま行っているフィラリア予防ですが、実はとても怖い病気であることがお分かり頂けたと思います。
適切な予防で愛犬の健康を守っていく事が大切です。
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