犬の初潮は生後6ヵ月前後〜避妊を考えよう〜
犬の初潮は生後6〜10ヵ月と言われています。しかし、人間においても言える事ですが、初潮にも早い,遅いがあります。
同じ犬種でも、早い犬は生後4か月程で迎えますが、遅い犬では生後1歳を超えてから迎えたという報告もあります。
犬の体型別における初潮を迎える時期
〈小型犬〉 4〜6ヵ月程
〈中型犬〉 6〜10ヵ月程
〈大型犬〉 10〜12ヵ月程
と、以上の様に分かれており、成長が早い小型犬は初潮を迎えるのも早い傾向にあります。
また、何歳になっても生理が来ないとう事はありません。
そして、避妊手術を検討するのであれば、この時期です。
一般的には、「初潮=性成熟」とされており、初潮を過ぎてからの避妊手術は乳がんなどの病気予防において少し遅いとされています。
次項では、生理を迎えた犬について、ご紹介します。
発情前期は7〜10日間 体臭が気になる時期
発情前期を簡潔に説明すると、出血している期間の事を指します。
発情前期の犬の行動と対処法
この時期は、陰部が数倍に膨らみ、出血をします。
その為、陰部を気にし、事あるごとに舐めており、痛々しい程に赤くなる事もあります。
また生理前には、ソワソワしたり、イライラしたりと忙しないです。
上記以外の行動においては、マーキングをしてしまう事があります。
この時期は、きつく叱っても効果が無い為、言い聞かせる様に叱りましょう。
発情前期の臭い対策
出血に伴い、尿からフェロモンが放出され、人間はクサイと感じます。
その場合、生理中の犬をお風呂に入れても問題ありません。
但し、汚れていないのであれば、生理が終了してからシャワーをしてあげた方が、ストレスは軽減できます。
また、生理の期間の犬はトリミングを断られる事があります。
これは犬の体調を考慮しているだけではなく、人間の指示を聞きにくくなったり、この臭いに反応したオスがメスを求めてしまう為です。
発情前期のメスは、まだ許容できる段階ではない為、喧嘩の原因となる事があります。
犬の体型別における注意事項
〈小型犬〉
出血量が少ない為、生理に気付かない事もあります。
陰部が膨らんでいないかチェックし、生理の期間を把握しておきましょう。
〈中型犬〉
出血の確認もし易く、陰部を舐め、血が落ちない様、自分で対処をする為、特別な事をしてあげる必要はありません。
しかし、生理の期間中に数回、ベッドやソファに血がついてしまう事もあります。
〈大型犬〉
出血量が多く、放置していると、ベッドやソファに大量の血がついてしまう事もあります。
パンツや紙おむつを履かせ、生理の対策をしましょう。
この時期のメスは、オスを受け入れる準備をしています。
事項では、受け入れ態勢が整ったメスについてご紹介します。
発情期は約7日間 積極的なメスにはパンツを履かせて
犬の発情期は、出血が少量になってから約1週間です。
発情期中に、出血が止まる犬もいる為、発情期が終わったと勘違いしてしまう方もいますが、発情期は直ぐには終わらない為、注意しましょう。
交尾をさせない為の対処法
発情期は妊娠が可能な為、繁殖を望まない場合、オスとの接触は控えましょう。
同居しているオスがいる場合、メスを隔離してしまうと良いでしょう。
積極的なメスは、オスが寄ってくると、直ぐに受け入れます。
その為、パンツを履かせるなどをし、物理的に交尾が出来ない様にしてしまいましょう。
また、この時期は、犬が少ない時間帯を狙ってお散歩をする事をオススメします。
そして、この時期を過ぎると、犬は徐々に正気を取り戻します。
ナプキン、紙おむつの選び方
発情期のメスには、人間用のナプキンを付けても良いでしょう。
人間用のナプキンは吸収性・通気性に優れており、かぶれにくいのが特徴です。
着けてる心地が犬用と比べれば緩和される事でしょう。
また、紙おむつの場合、ピッタリサイズの物を選びましょう。
紙おむつは無理矢理外してしまえる犬が多い為、上からパンツを重ね履きさせると、脱ぎにくくなり、お世話が少し楽になります。
発情後期は偽妊娠に注意徐々にいつもの犬に戻ります
発情期中に妊娠をしなかった場合、メスの体は通常に戻ります。
偽妊娠の原因と対処法
しかし、犬の場合、黄体ホルモンと呼ばれる女性ホルモンが長期間、分泌される為、偽妊娠をする事があります。つまり、想像妊娠です。
偽妊娠は、交尾をした経験が無いメスにも起こります。
また、偽妊娠により、下腹部が張ったり、人気の無い場所に潜んだり、母乳が出たりする事があります。
一定の期間を過ぎれば偽妊娠は終了しますが、1か月を過ぎても偽妊娠の疑いがある場合は、ホルモンバランスが崩れている可能性がある為、動物病院へ行きましょう。
また、妊娠と偽妊娠の区別がつかない場合、エコー検査で確認する事も出来ます。
妊娠している場合、食事を変更したり、環境を整えてあげる必要がある為、妊娠の可能性がある場合は検査を受ける事をオススメします。
生理期間は約20日間
生理期間(ヒートとも言う)とは、「発情前期」「発情期」「発情後期」全ての期間を指し、約20日間で終了します。
生理期間を終了すると、メスは発情休止期を迎え、4〜6ヵ月間、発情する事はありません。
犬の体型別における生理周期は以下の通りです。
〈小型犬〉 4〜6ヵ月
〈中型犬〉 6ヵ月前後
〈大型犬〉 6〜12ヵ月前後
メスの生理は3月頃と9月頃に訪れると言われていますが、住環境が整っている現代では、生理が訪れる時期にも個体差があります。
犬に生理痛は無い
犬の場合、生理痛は起こりません。
体を痛がる様な事がある場合、病気やケガを疑うのが妥当です。
例えば、『発情後期』で紹介した『偽妊娠』の場合、母乳が出る事により、犬は頻繁におっぱいを舐めます。それに伴い、おっぱいが炎症を起こし、乳腺炎になる事があります。
また、生理が長い場合、子宮または、卵巣が炎症を起こしている可能性があります。
体調が悪そうであれば、動物病院へ連れていき、検査を受ける事をオススメします。
犬の閉経は8〜10歳
個体差はありますが、犬の閉経は8〜10歳と言われています。
また、亡くなるまで生理が続く犬もいるので、あくまで目安として考えられています。
「老犬なのに生理がいつまでも終わらない。」と嘆く方がいらっしゃいますが、その犬はメスとしてとても優れた肉体を持っている証拠です。
まとめ
生理中は、本来であれば、子どもを作る為の大切な期間です。
それを、人間の都合で無かった事にしている事を、私たち人間は忘れてはいけません。
関連ページ
- 心臓病の中でも老犬に多い僧帽弁閉鎖不全症について
- 年齢のいった犬に多いとされる心臓病、僧帽弁閉鎖不全症。そう診断されたらどうすればよいのか。どんな予防法があるのか。世話をする上で気をつけるべきことは何か。それらをざっとまとめました
- 犬の無駄吠えを治す唯一の方法!吠え癖の理由とは
- 愛犬の無駄吠えにお困りの方に、吠えぐせへの対処法をご紹介します。治す近道は、その理由を知ることです。
- 犬の車酔い、原因と対策は?
- 犬の車酔いを防ぐためには、車内の臭いを取り除くこと、車に慣れさせること、食事と体調を考えること、リラックスさせることを心がけましょう。
- 犬の不妊手術を成功させるための知識7選
- 多くの犬が不妊手術を受けているにも関わらず、望まない妊娠により、不幸な末路を迎えた子犬は多くいます。今回は、犬の繁殖を望まない方に向けた最新の避妊・去勢に関する話題です。
- 犬が発情して大暴れ!?発情期の対処方法
- 犬を飼っていると色々な悩みがありますが、その中でも悩むことの多いのが発情期に関する問題行動です。その対処法とは?
- 愛犬を感染症から守ろう!!予防接種の基礎知識
- 皆さんは予防接種についての疑問や不安、悩みはありませんか?今回は、予防接種の基本情報をお伝えします。
- 6色の目やにで見分ける 犬の健康チェック方法
- 犬の目ヤニは、犬種や目やにの色、年齢など、その時々の状態により、症状が異なります。今回は、危険度ごとに目やにの状態を見ていきましょう。
- 愛犬の白内障の原因、予防、対処方法を解説
- 犬の白内障の原因予防、発症後の対処、手術費用についてまとめて記載しています。
- 愛犬の咳が意味するSOS 原因と対処法
- 愛犬が咳をしていませんか?咳は風邪だけでなく様々な病気のサインです。正しい知識を持ちましょう。
- 愛犬が震える理由と原因 | 病気?それとも異常なし?
- 犬が震えると驚きますが、病気でなく一過性のものが多いです。震えが大丈夫なものと病気が疑われるものを分けて紹介します。
- フィラリアから犬を守るために | 予防・症状・治療のすべて
- 毎年、病院で言われるがまま行っているフィラリアの予防。なぜそんなに予防が大切なのか、ご紹介します。
- 犬の血尿の原因と症状、対処法 | 病気のサインを見逃さないために
- 何か排尿の様子に違和感があると思った時は病気のサインかもしれません。飼い主の少しの気付きが愛犬の病気に対して早期発見、対処し健康を維持するのに繋がります。
- 犬の熱中症予防と対処法|その症状は熱中症かも?
- 犬の熱中症の症状、対策、予防法を詳しく紹介
- 子犬を迎える頃に気になる犬の噛み癖を治す方法
- 子犬を迎えるにあたって気になる「噛み癖」について、治すのではなく噛み癖という習慣がつかない犬の育て方の自分の体験談。
- 2日以上うんちがなければわんちゃんは便秘です!
- 犬の便秘は意外と知られていない事実と、食事や運動で日頃からできる対処方を紹介。
- 犬の下痢の原因は?知っておきたい見分け方と対処法
- 物言わない犬にとって便の状態は目に見える大切な体調のバロメーターです。下痢対処の一歩は体調をしっかりケアするために必要なことは日頃の「観察」です。
- 愛犬の突然の血便!原因と対策、安心できる?病気が隠れている?
- 愛犬がある日突然血便をした時の対処法。血便の原因や対処法を前もって知っておくことで安心できる血便か、病気が隠れているのか紹介します。
- 愛犬が突然の嘔吐!犬の嘔吐と原因を詳しく紹介
- 犬の嘔吐の種類と原因、その対処法を体験談を例に(幼犬に起こりやすいもの)説明・発信します。
- 愛犬のお口がクサい…口臭の原因と対策は?
- 愛犬の口臭は、飼い主への不調のサインです。口臭の根源にある様々な病気と、口臭予防の対策について紹介します。
- 愛犬を襲うダニの種類と症状から最適な駆除方法
- 犬の悩みシリーズ。愛犬を襲うダニの除去・駆除・予防法。ダニの見つけ方と症状を判別し、適切な治療・対処方法を発信します。