年齢のいった犬に多い心臓病の話
我が家にも心臓病で14歳の犬がいます。心臓が悪いと診断されてから、もう5年は経つでしょうか。薬は朝晩服用しているものの、未だ元気です。しかしもう14歳。
老い先長くありません。
心臓病が原因でも他の原因でも、ぽっくり逝ってしまうことも、もう覚悟しなければならないのです。もちろん心臓病で亡くなってしまう確立の方が高いでしょう。
今回は、そんな心臓病についてお話しようと思います。
心臓病と診断されたら
みなさん予防されているフィラリアも心臓病のひとつですし、先天性の心臓病などもありますが、ここでは、老犬に多い僧帽弁閉鎖不全症について触れたいと思います。
心臓には4つのお部屋があり、それぞれを弁といわれる開閉するもので区切られています。
そのお部屋を、血液が循環し、心臓は血液を体中に送るポンプの役割をしているのですが、この弁に不全が見られるものが僧帽弁閉鎖不全症です。
この不全により、本来一方通行である血液が、心臓の中で逆流してしまったりして、うまく体中に血液を送れなくなってしまうのです。
そして僧帽弁閉鎖不全症にかかった犬は、発作を起こしたり、酷くなると肺に水が溜まってしまったりします。
この僧帽弁閉鎖不全症は、原因がはっきりしておらず、明確な予防法がないというのもひとつの特徴です。僧帽弁閉鎖不全症と診断されてしまったら、薬で進行を遅らせるしかないのです。
薬をストレスなく服用させるのは飼い主の大きな役目です。そしていかに毎日を幸せに過ごさせてあげるか、そこもポイントだと思います。
よって心臓病と診断されても、必要以上におろおろしたりして、愛犬に心配させないようにしましょう。
犬は飼い主の情緒をすぐに見抜きます。余計な心配はかけないで、いつも通り過ごしましょう。
どういう世話をしたらいいの?
心臓病と診断されたら、基本的に服薬治療になります。ドクターからもらったお薬を欠かさず与えることが大事です。フィラリア予防と同じですね。
薬がその子にあっていれば、うまく進行は防げる一方、水をたくさん飲むようないつもと違う行動をとったら薬があっていないということですので、主治医に相談しましょう。
今はいい薬がたくさんでていますので、きっと合う薬が見付かりますよ。
愛犬に合う薬を服用していても、どうしても発作はでてしまうことがあります。発作の際、老犬では特に失禁などしてしまうこともあります。
しかし失禁は、心臓病に犯されていない健康な犬でも、老犬になればしてしまうこともあります。
そんな時はもちろん叱ってはいけません。今まで一緒に過ごして来てくれた愛犬です。人間の4倍歳を早くとります。まあこんなこともあるさ、といった態度で接してあげてください。
犬も失禁のことを気にしているかもしれません。心配事やストレスは心臓に悪いといいます。愛犬の心臓に負担をかけないような心持ちで過ごさせてあげましょう。
ちなみに、運動は控えた方がいいです。運動すると心拍が速くなり、発作が起きやすくなります。お散歩も短めにしましょう。
病気とうまく付き合っていこう
心臓病が発覚するのは、大体10歳ころといわれています。
僧帽弁閉鎖不全症は、初期症状がほとんどありませんので、何かおかしいな、と気づく頃にはもう進行していることが多いです。
そんな時は、先ほども述べたように、必要以上に慌てず、落ち着きましょう。
中には余命を宣告されてしまうこともあるようですが、幸せに過ごさせてあげようと考え、死んでしまったらどうしようと考えるのは避けましょう。
少し冷たい表現になりますが、心臓病にならなくとも愛犬は自分より先に死んでしまうのです。どっしりと構えて、愛情たっぷりに愛犬に接しましょう。
しかしいつ容態が急変するかわかりません。それなりに覚悟も必要です。複雑ですね。
でも犬を飼うということは、そういうことなのです。看取る覚悟がないのに、犬を飼ってはならないのです。
死は悲しいです。病気は憎いです。でもそれだけを考えていたら、愛犬はあなたのことを心配しますよ。
その心配は、「自分のせいかな」と思わせ、愛犬の心臓に負担をかけてしまうでしょう。
逆に、いつ天に召されても大丈夫なように、毎日毎日を最高のものにしましょう。そのほうが、心配しているご主人を見るよりも、愛犬にとっていいものとなるでしょう。
出来るだけ長生きして欲しいのが本音ですよね。ですので、薬を服薬させるのを、忘れないようにしましょう。
そのまま飲ませるとストレスになって、いやな習慣になってしまいますので、好物に混ぜてあげたりして、工夫しましょう。
いやな思いや心配をさせたりしないのが、飼い主のあなたに出来る唯一のことです。それは厳しい現実かもしれませんが、薬代を出したりする当然のことは、犬にはわからないものです。
犬にとって一番何がいいのか、もう一度考えてみましょう。
まとめ
薬の服用のさせ方に悩む飼い主さんも多いかと思います。ちなみに我が家では、茹でたささみに包んであげています。
うちの犬は朝晩何故かささみがもらえるのを、楽しみにしていますよ。
朝はささみ食べたさに起こしてくるくらいです。
茹でたささみはそんなわけでお勧めです。
通院は飼い主さんにも犬にとっても負担になります。
動物病院では、口をすっぱくして言うようですが、なるべく平常心でいましょう。犬は飼い主のことはなんでもわかるのです。
飼い主さんがおどおどしていたら、その倍犬は不安になってしまいます。出来るだけいつも通りの気持ちで、待合室で過ごしましょう。
最初に述べましたが、この病気には予防法がありません。健康的な生活をしていれば、発症は抑えられるかもしれないし、遅らせられるかもしれない。
人間の食べ物をあげたりしていては、健康的とはいえませんね。肥満にも繋がってしまいます。
いくら可愛くても相手は犬。人間とは違うのです。それをわきまえて犬と接せてこそ、良い飼い主といえるのではないでしょうか。
良い飼い主の下で暮らす犬はとっても幸せです。愛犬には幸せに過ごしてもらいたいですよね。
病気になったとしても、ならなかったとしても、愛犬にとって幸せとは、飼い主さん次第です。
関連ページ
- 犬の無駄吠えを治す唯一の方法!吠え癖の理由とは
- 愛犬の無駄吠えにお困りの方に、吠えぐせへの対処法をご紹介します。治す近道は、その理由を知ることです。
- 犬の車酔い、原因と対策は?
- 犬の車酔いを防ぐためには、車内の臭いを取り除くこと、車に慣れさせること、食事と体調を考えること、リラックスさせることを心がけましょう。
- 犬の不妊手術を成功させるための知識7選
- 多くの犬が不妊手術を受けているにも関わらず、望まない妊娠により、不幸な末路を迎えた子犬は多くいます。今回は、犬の繁殖を望まない方に向けた最新の避妊・去勢に関する話題です。
- 犬が発情して大暴れ!?発情期の対処方法
- 犬を飼っていると色々な悩みがありますが、その中でも悩むことの多いのが発情期に関する問題行動です。その対処法とは?
- ヒート期間は20日間!?飼い主に必要な犬の生理の知識7選
- 犬を飼っていても、意外と知られていないのが、犬の生理についてです。今回は、メスの犬を飼育している方には是非とも読んで頂きたい回です。
- 愛犬を感染症から守ろう!!予防接種の基礎知識
- 皆さんは予防接種についての疑問や不安、悩みはありませんか?今回は、予防接種の基本情報をお伝えします。
- 6色の目やにで見分ける 犬の健康チェック方法
- 犬の目ヤニは、犬種や目やにの色、年齢など、その時々の状態により、症状が異なります。今回は、危険度ごとに目やにの状態を見ていきましょう。
- 愛犬の白内障の原因、予防、対処方法を解説
- 犬の白内障の原因予防、発症後の対処、手術費用についてまとめて記載しています。
- 愛犬の咳が意味するSOS 原因と対処法
- 愛犬が咳をしていませんか?咳は風邪だけでなく様々な病気のサインです。正しい知識を持ちましょう。
- 愛犬が震える理由と原因 | 病気?それとも異常なし?
- 犬が震えると驚きますが、病気でなく一過性のものが多いです。震えが大丈夫なものと病気が疑われるものを分けて紹介します。
- フィラリアから犬を守るために | 予防・症状・治療のすべて
- 毎年、病院で言われるがまま行っているフィラリアの予防。なぜそんなに予防が大切なのか、ご紹介します。
- 犬の血尿の原因と症状、対処法 | 病気のサインを見逃さないために
- 何か排尿の様子に違和感があると思った時は病気のサインかもしれません。飼い主の少しの気付きが愛犬の病気に対して早期発見、対処し健康を維持するのに繋がります。
- 犬の熱中症予防と対処法|その症状は熱中症かも?
- 犬の熱中症の症状、対策、予防法を詳しく紹介
- 子犬を迎える頃に気になる犬の噛み癖を治す方法
- 子犬を迎えるにあたって気になる「噛み癖」について、治すのではなく噛み癖という習慣がつかない犬の育て方の自分の体験談。
- 2日以上うんちがなければわんちゃんは便秘です!
- 犬の便秘は意外と知られていない事実と、食事や運動で日頃からできる対処方を紹介。
- 犬の下痢の原因は?知っておきたい見分け方と対処法
- 物言わない犬にとって便の状態は目に見える大切な体調のバロメーターです。下痢対処の一歩は体調をしっかりケアするために必要なことは日頃の「観察」です。
- 愛犬の突然の血便!原因と対策、安心できる?病気が隠れている?
- 愛犬がある日突然血便をした時の対処法。血便の原因や対処法を前もって知っておくことで安心できる血便か、病気が隠れているのか紹介します。
- 愛犬が突然の嘔吐!犬の嘔吐と原因を詳しく紹介
- 犬の嘔吐の種類と原因、その対処法を体験談を例に(幼犬に起こりやすいもの)説明・発信します。
- 愛犬のお口がクサい…口臭の原因と対策は?
- 愛犬の口臭は、飼い主への不調のサインです。口臭の根源にある様々な病気と、口臭予防の対策について紹介します。
- 愛犬を襲うダニの種類と症状から最適な駆除方法
- 犬の悩みシリーズ。愛犬を襲うダニの除去・駆除・予防法。ダニの見つけ方と症状を判別し、適切な治療・対処方法を発信します。