犬の血尿の原因は?病気のサインを見逃さないために。
何か排尿の様子に違和感があると思った時は病気のサインかもしれません。
飼い主の少しの気付きが愛犬の病気に対して早期発見、対処し健康を維持するのに繋がります。
緊急性のある時
まず一番に判断してほしいのは緊急性があるのか、そうでないのか。
緊急性があると判断したらすぐにかかりつけの病院で診察してもらいましょう。
長く放置しておくと合併症や命に関わることがあります。
- 血尿を伴い、嘔吐、痙攣、ぐったりしていて動かない。
- 中毒物質、人間の薬など血尿の原因になる可能性のあるものを摂取した場合。
- 大量の血尿、また垂れ流しになっている場合。
- 尿の回数が極端に少ない、ポタポタ程度しか出ない時。
- 子犬、老犬で基礎体力が低い場合。
- 一過性ではない場合。
上から順に緊急性は高いので当てはまるものがあれば昼夜問わずかかりつけの病院で診察してもらいましょう。
気付くのが遅くなり放置する時間が長ければ命に関わってくる事もあります。
血尿の原因@
食べ物による中毒
ネギ類、チョコレートを摂取することにより赤血球が破壊される。
主な症状
- 嘔吐
- 血尿
- 痙攣
- フラフラして歩けない。
主な原因
- ねぎ類を食べた。(玉ねぎ、長ネギ、ニンニクなど)
- 固形でなくても玉ねぎなどの溶けだした、スープ、ハンバーグ、カレーなどをたべた。
対処法
- 血尿や嘔吐、何らかの症状が出た時はぐ獣医師の診察を受けましょう。
- 水は沢山飲める環境にしておく。
- 無理やり吐かせるなどの方法もあるが、難しいので獣医師に診察してもらう方がいいです。
血尿の原因A
膀胱炎、前立腺炎
何らかの原因によって尿道から膀胱、前立腺に細菌が感染して炎症を起こした状態です。
主な症状
- 血尿(赤、コーラ色)
- 頻尿
- 尿切れが悪い。(いつまでも排泄のポーズをしている。)
- 尿の臭いが強い、不快な臭い。
- 元気がない。
- 水をたくさん飲む。
原因
- 細菌感染
- ひどいストレス
- 結石
- 気温の低下
- 免疫力の低下
対処法
血尿に気付き、膀胱炎の可能性が高い場合は次の日までには動物病院で診察を受け、獣医師の治療を受けましょう。それまでにできることは、水をたくさん飲めるように水を絶やさないで下さい。
暖かく、清潔にして下さい。
受診まで時間を要すれば細菌が尿管まで侵入して重症化する危険性も十分あるのでできれば早いうちに獣医師の診察を受けましょう。また、膀胱炎ではない可能性もあるので診察を受けるまでは愛犬の様子に変化がないか、状態が悪くなってないか十分観察し、悪化している場合は早めに診察を受けてください。
血尿の原因B
腎臓系疾患
- 慢性、急性の腎炎
- 腎盂腎炎
- 腎不全
- 腎臓癌
主な症状
- 血尿
- 元気がない
- 食欲低下
- 嘔吐
- 口臭
- 尿量、排泄回数が減る
- 皮膚に弾力がない
- 運動量が減る
原因
- 何らかの原因によって、腎臓に炎症が起こり、腎臓の機能が低下している状態です。
対処法
これらに当てはまる場合は早期に獣医師の診察を受けましょう。
細菌感染などの一過性で治る場合もありますが、繰り返し続く場合や、ぐったりしている、子犬、老犬、有病犬は特に注意が必要です。
処置が遅れると命に関わります。
血尿の原因C
尿道結石
膀胱内に結石ができている状態。
できた結石が原因で尿道が塞がれ、尿が外に排泄できなくなります。
主な症状
- 血尿
- 排泄回数、排泄量減少。
- 何度も排泄のポーズをとるけど尿が出ない。
- 食欲低下。
- お腹がパンパンに張っている。
原因
- 犬種による結石のできやすさなどもある。(特にミニチュアシュナウザー、ダックスフンド、ヨークシャーテリア、ダルメシアンなど)
- 犬種以外の要因では、食事(ミネラルバランスの偏り)
- 細菌性の膀胱炎を繰り返している。
- 雄の方が尿管が細長いので詰まりやすい。
対処
排尿が明らかに全く確認されていない、お腹がパンパンに張っていることが確認されるときは、昼夜問わず緊急に獣医師の診察を受けましょう。
完全に詰まっている場合、時間の経過が長ければ、膀胱破裂、尿毒症になり死亡率が高くなります。お腹がパンパンの時は外的圧力は絶対にかけないで下さい。はずみで破裂することがあります。
診察を受けてからは獣医師の指導に従いましょう。食事療法が必要になる場合があります。お水は尿の濃度を薄めるために沢山飲める環境にしましょう。
血尿の原因D
犬フィラリア症(糸状虫症)
フィラリア(子)を持っている蚊に吸血された際に感染し、体内で成長し、心臓や肺に寄生する感染症。急性と慢性がある。
主な症状
- ゼーゼー咳をする
- 元気がなく食欲低下。
- 血尿(赤ワイン色)
- 腹水がたまる
- 全身にむくみ
原因
- フィラリアに感染している蚊に吸血される。
対処
血尿が出るなどの症状が出ている場合かな悪化していたり、急性の場合もあります。
疑わしいと思った場合は直ちに獣医師の診察を受けましょう。
また、感染してから対処するのではなく、飼い始めたら病院を受診し、毎年予防薬を服用することで防げる病気なので必ず予防しましょう。
病院に行く
おかしいなと感じたら新聞などを引き吸収しないようにし、スポイドで採取し病院に持って行くとスムーズに検査できます。
またおかしいなと感じてからの経過をよく観察し、いつからどうおかしいと感じたか、回数、量、臭い、色などを細かく報告できるようにしておくと診察に役立ちます。
まとめ
犬の血尿の原因と言っても沢山あります。
メスの場合、月経の血液なのか、血尿と間違えることがあったり、結石の場合詰まっていたけど何かのはずみで結石が移動し、急に勢いよく排泄され、その時に血尿を伴うこともあります。
また尿道を通らないくらい大きな結石が膀胱内にできていることもあるのでおかしいと感じたら受診しましょう。
その他では、メスの場合、子宮蓄膿症の時など膣からの膿を血尿と勘違いして受診される方もいます。地域によってはまれにバベシア症などの感染症もあります。
なかなか何が原因かわかりにくいのですが、飼い主が愛犬の為にできることは、よく観察し獣医師に報告することだと思います。
かけがえのない愛犬が1日でも健康に暮らせるように飼い主はよく観察しましょう。
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