わんちゃんの「あのね」はしぐさから知ろう!
愛犬が何を考えているか、知りたいと思う飼い主さんはたくさんいることでしょう。
犬は、私たちにわかるような言葉を話すことはできませんが、私たちは犬のしぐさから、愛犬が何を考えているのか、何を感じているのかを知ることが出来るのです。
うれしい?おこっている?しっぽの不思議
犬の気持ちを知ろうとしたとき、1番一般的に注目されるのはしっぽです。
しっぽをぶんぶん振っていたら、「うれしい」という気持ちの高ぶりを表しています。
ただし、しっぽを振っている時の耳にも注目して下さい。しっぽを振りながらも耳がピン!と立っているなら、「怒っているぞ!」の意思表示になります。
しっぽは、わんちゃんが気持ちが高ぶった時に興奮の表れとしてゆれています。嬉しい時は、耳が後ろに寝て、しっぽも揺れていますが、怒っている時には警戒していますので、耳もピンとたっていて、怒りという興奮でしっぽも揺れています。
あくびは眠たいわけじゃない
犬は、人間と同じ行動をしても、意味は人間とは異なっていることが多々あります。代表的なものが、あくびです。
人間は、あくびをする時は眠い時です。しかし、犬があくびをする時は、緊張している時だと言われています。
動物病院に定期検診で連れて行ったら、観察してみてください。そこらかしこで、あくびをする犬を目撃できることでしょう。
人間が舌を出すのは、いわゆる「あっかんべー」の意思表示ですが、犬が舌を出す意味はもちろん誰かをバカにしているわけではありません。
犬は体温調節をする際に舌を出すと言われています。
もし、愛犬が舌を出してハァハァと荒い息をしていれば、犬にとって部屋が暑すぎる、ということかもしれません。
人間がガタガタと震えると、何かに恐怖している様子に見えますが、犬の場合は2通りの可能性が考えられます。
1つは人間と同じく、恐怖で震えている場合、もう1つは嬉しさのあまり興奮で震えている場合です。しっぽ同様、犬は興奮を体で表現することを隠しきれない動物なのです。
見つめ上手はかしこい印?
可愛らしい瞳でじーっとこちらを見つめる愛犬の様子に、思わず「なーに?」と問うてしまうこと、ありませんか?
犬がじーっと見つめるのは、飼い主さんからのアクションを待っている証拠です。
実はアイコンタクトができる犬は、しつけがしやすいといわれています。目と目が合えば気持ちが伝わるとは昔からよく言われることですが、飼い主さんと犬との間でも同じことが言えるのです。
じっと飼い主さんを見つめて、何か指示がないか、もしかして遊んでくれないか、様子を伺っているのです。
また、見つめる様子は、本能的な愛情表現の一つともいえます。見つめ合うことで、愛犬と飼い主さんの中で幸せホルモンが生まれているという研究結果もあるくらいです。
では、そっぽをむかれたら、飼い主さんに興味がないのか、といわれたら実はそれも違います。
犬が人に背中を向けるのは信頼の証です。昔の侍が、背中を信頼する仲間に預ける様をイメージしていただければわかりやすいかもしれません。
その他にもくつろいでいる飼い主さんにぴったりとくっつく行動や飼い主さんの鼻をなめるなどのしぐさは、飼い主を信頼しているサインであり、大好きだよ、と挨拶をしている印なのです。
服従ポーズはわんちゃんの安心のサイン
飼い主さんは、犬の良きボスとなりましょう、と言われる理由をご存知ですか?
犬は社会の中で生きる本能があり、自分の地位が高いほど、自分より下位のものを守ろうと常に神経を研ぎ澄ませる習性があります。
人間界の様々な物音やにおいという刺激の中で、もし犬が人間のボスになってしまうと、犬はいつも緊張して家族を守ろうとしてしまいます。
ボスになるというのは、言いなりにさせるという意味ではなく、犬を守り安心させてあげる、ということを意味するのです。
犬が頭を下げる、伏せをする、お腹を見せるのは、飼い主への服従のポーズです。
特に仰向けになるのは、体の中の大切な臓器があるお腹を見せても、攻撃される心配がないと信じきっているからできる行動です。
野生の本能を失ってるなあ、と呆れてしまう様な寝姿は、実は飼い主さんへの全幅の服従と信頼、そして生活空間と家族への安心の表れなのです。
本能行動の意外な裏側
愛犬が床をガリガリ掘るせいで、マットレスに穴があいてしまった、なんてことありませんか?
問題行動と思われがちですが、ちゃんと理由があるんです。
犬は寝床を整えて眠りにつく習性があります。ガリガリガリガリ、掘って自分の寝床を整えている、とわかればその対処が見えてきますよね。
愛犬は「くつろげるスペースがないなあ」と思って自分でそれをなんとかしようとせっせと頑張っているんですね。
愛犬がくつろげるスペース、例えば毛布やベッドなど、なにか手を打ってあげるといいかもしれません。
愛犬が自分の手をなめるんです、というお悩みをもつ飼い主さんは多くいますが、その理由はご存知ですか?
犬が手を舐め続けてしまう理由には2つあります。1つはストレスです。人間でも何かストレスがあるせいで爪を噛む、という無意識の行動に出てしまうことがありますよね。犬はストレスがあると手を舐め続けてしまう習性があるようです。いやだなあ、とか、かなしいなあ、とか、そんな思いからなめる行動を起こしてしまっているのかもしれません。
もう1つは、ストレスとは違った点での不快感です。例えばお散歩で歩いた際に足に泥がついてしまったり、毛が汚れてしまったり、その際にはそれを綺麗にするために犬は自分でなめて綺麗にします。
しかし、綺麗になったけれど、今度は舐めたことで毛がびちょびちょと濡れてしまい、その不快感をとりたくてなめる、ということがあるのです。
なめすぎて禿げてしまう子もいるくらい、デリケートなわんちゃんはなめることをやめられないでいる場合があります。
嫌なことがあってでなめているんだなぁと感じたら、とりあえずなめて濡れてしまった手足を綺麗に吹いて乾かしてあげ、しばらく抱っこしてあげたり遊んであげたりして意識を逸らしてあげると、なめる行動をやめてくれる場合もあります。
犬が顔をこすりつけはじめたら、かゆいのかな?ダニでもいるのかも!と心配になるかもしれませんが、実はそんな心配は無用な場合がほとんどです。
犬は顔をこすることに限らず、体などもこすりつけて、自分のにおいを残そうとする習性があります。自分のにおいに囲まれた空間が犬にとってより安心する空間であるようです。
犬が噛む、と聞くと、怒っている、懐いていない、警戒している、と感じる人は多くいますが、実はその噛み方によっては、必ずしも怒りを表して噛む行動に出ているわけではないかもしれません。
犬は群れで暮らしていた動物です。子犬の時からのじゃれあいで、社交性を身につけます。人間のように手でものを持ったりする生き物ではありませんので、口や舌で物に触れて確かめてみようとする本能もあると言われています。
子犬期に兄弟で噛み合いをするのも、相手を倒す以上に、そういった本能行動が先に現れているのかもしれません。甘噛みでじゃれあうなかで、その噛む強さが強すぎると、相手は噛まれることの痛みを知り、噛まれて自分も痛みを知ることで、甘噛みの加減を知っていきます。
ですから、飼っている犬が噛んでくる場合や甘噛みの力加減が強い場合、犬が加減を理解していない、噛んではいけないという社交性が犬の中で育っていない、ということになります。
噛むのは、犬の意思表示の表れのひとつの行動です。当の本人はただじゃれているだけ、ということは往々にあります。ですが、人間と暮らす以上、ルールや加減を教えてあげることも大切です。
しつけの訓練士の中には、甘噛みを止めない犬の口をくわえて、こちらから噛んで、噛まれたら痛いことを教える人もいるそうですよ。
甘えた上手はあいさつ上手?
帰宅すると、お留守番してくれていた愛犬が、ぐーっと伸びをした後に駆け寄ってきて前足をかけてくること、ありませんか?
これは、おかえりなさい!のあいさつの行動です。わんちゃんとのコミュニケーションの絆が太い飼い主さんなら、もしかしたらなんとなく気付いているかもしれませんね。
それではこれはどうでしょう。犬が、前足で顔をかくしぐさです。これは、犬が不満を感じている時にしている行動です。
その意味に気付いていなくても、「どうしたのー?」と声をかけている飼い主さんもいるかもしれません。
声をかけると、顔をかくのをやめておもちゃを取りに行ったり、じっと見つめてきてはいませんか?
犬は大好きな飼い主さんのそばで、安心した空間にいる時、甘えるのがとっても上手になるのです。
少しあざとい気もするくらいの愛犬の愛らしいしぐさ、その意味を知って、愛犬との絆をもっともっと、強いものにしていきましょう。
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