わんちゃんの吠えぐせ、治したいなら理由を知ろう
愛犬のしつけは、犬を飼うということの責任を果たすうちのひとつでもあります。
今回は、飼い主さんを悩ませる問題行動のなかでも、「無駄吠え」について、どのように育てれば吠えぐせがつかないのは、吠えぐせがついてしまったらどのように対処すればいいのか、ご紹介いたします。
わんちゃんが吠えるのはなんで?
犬は、欲求がある時、ストレスがある時、刺激を受けた時、この3つの状況下におかれて、自分で対処ができなくなった時に吠えてしまいます。
小さい頃の自分を、飼い主さんも思い出して見てください。
お母さんと買い物に行き、ふと見かけたおもちゃのおまけ付きのお菓子が目に入ります。幼い子供にとってそれはキラキラ光る宝石のような、とても価値の高いものです。
「欲しい!」という欲求にかられたあなたは、お母さんに、「あれ買って!」と声を上げます。
お母さんは、そんなもの、すぐに遊ばなくなるのは目に見えている、と思ったか、余計な買い物はしない、とはなから決めていたかはわかりませんが、「今日は買わないよ」とあなたの訴えをバッサリ切り捨ててしまいます。
すると、あなたの中に、「なぜ?どうして?お母さんのいじわる!欲しいのに...」という不満、ストレスが生まれます。
その場からさっさと離れてしまおうとするお母さんにあなたは、「買って買って買って!」とさっきより大きな声でしつこく声をあげます。
しかしお母さんは断固買わない、という姿勢を崩さず、「ついてこないとおいていくわよ」と、買い物カートを押してその場から立ち去ってしまいます。
もちろん少し離れた場所であなたの様子を伺って、迷子にならないように気をつけてくれているでしょう。
幼いあなたは、最後までわがままを言っていました。お母さんは絶対自分を置いていかないと心のどこかで甘えがあるからです。
しかし、お母さんは本当に自分を置いて行ってしまいた。
ボク、どうしたの?と、ふいに知らない人に声をかけられます。よくよく周りを見ると、知らない大人が自分の周りを歩いています。
自分の家ではないところで、知らない人がいっぱいの中、知らない人に声をかけられたあなたは、次から次へ対処しきれない刺激を受けて、さみしさと不安からとうとう「うわーん」と泣き声をあげて大泣きしてしまいます。
イメージしていただけたでしょうか?
犬が吠えてしまうのは、欲求・ストレス・刺激と、状況は違えど、犬にとってはごく自然な流れで生まれる感情を元に起こっているのです。
欲求はいつも通らないと教えてあげて、かわりに新鮮な刺激をプレゼント
朝、いつも同じ時間帯になるとワンワンと吠えて散歩やご飯をねだってきて、可愛い、という飼い主さん。
対応して挙げられるうちは問題行動にならないその吠えぐせも、例えば台風が直撃して外が大荒れなのに散歩に行きたくて吠え続けられたり、昨晩遅くまで仕事をして寝不足で、今日は休みだし8時頃まで寝ていたいところを、いつも通り朝6時からご飯を出してと、ワンワン吠え続けられたらいかがですか?
こういった吠えぐせは、犬の中に根付いてしまった習慣をとっぱらってあげることで、やめさせることができます。
毎日同じ時間にご飯や散歩に行くと、犬にとってはそれが当然になります。
ある日飼い主さんの都合で毎日続いていた習慣がなくなりかけると、犬はその習性を強いて欲求から吠えてしまうのです。
こういった習慣からの吠えぐせは、いつからしつければいいというものではなく、子犬の時なら子犬の時から、成犬になって迎えたなら成犬からでも、とにかく一緒に暮らし始めたら即しつけ始めなければいけません。
日々の流れを犬に合わせず、人に合わせてもらうようにするのです。
例えば、よく耳にするしつけに、散歩中に犬を人より先に歩かせてはいけない、というのがありますが、これも犬に合わせた散歩をするのではなく、人に合わさせて散歩をさせるためのしつけになります。
いつも人の都合に合わせて、違う時間帯、違うコースで散歩をすると、犬にとっては初めての刺激に触れてよい経験をできることにもなります。
外できく音、におい、人、そういった新鮮な刺激に日々触れていくことで、来客があると吠える、といった吠えぐせも改善することができます。
ストレスは人も犬もためないこと
犬好きな方はご存知の通り、犬種によっては、「吠えやすい」犬種が存在します。
特に吠えやすいと言われる犬種は、祖先犬が、人間につかえて狩猟のお手伝いをしていた種に多く、有名な犬種には、ヨークシャテリア、柴犬、スピッツという祖先犬の血を強く継ぐポメラニアンです。
気性が荒いというよりは、通常版のリラックスモードと狩猟をするお仕事の興奮モードとで、スイッチがあり、そのスイッチが入りやすいかどうか、ということとイメージしてもらえばわかりやすいかもしれません。
そういった犬種は、吠えぐせや噛みつきといった攻撃的とも取れる問題行動に出て飼い主を悩ませるようです。
このような問題行動にでてしまう原因は、その犬種のもつ本能的な欲求を犬が発揮できず、持て余してストレスを抱えてしまっていることが原因です。
ストレスをどうやって取り除いてあげればいいでしょうか?
解消法として、飼い主さんは2つのことをしてあげる必要があります。
まず1つが、犬の良きリーダーになってあげることです。司令塔といえばわかりやすいかもしれません。
犬のお仕事スイッチを犬自身が押すのではなく、司令塔である飼い主さんが押すものだ、と犬に教えてあげるためです。
犬のリーダーになる方法として日々出来る簡単なものが首輪にリードを付けることです。
室内での吠えぐせで困っているならば、室内ででも、首輪とリードをつけます。
普段胴輪を使っている飼い主さんからすると、なんだか苦しそうに見えるかも知れませんが、そこは心を鬼にしてくださいね。
首輪からの刺激が1番、わんちゃんに意思を伝えやすいんです。
方法ですが、犬が吠えたらグイッ、と強く1回リードを引きます。犬の顔がぐん、と動かされるくらいは引いてあげてください。
吠えるとリードを引かれる、という不快感から、吠えることへのメリットを失って、犬が吠えるのをやめる方向に持っていってあげることができます。
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無駄吠えに悩む飼い主さんの間でも話題で、満足度も非常に高いという人気の商品です。
その他の対策として、カラのペットボトルの中にビー玉を入れて、吠えたら犬が驚くくらいガシャガシャと大きな音を顔のそばで立てて驚かせたり、吠えたら突然毛布を上からかけて真っ暗にしてやる、なんていうのも同じ理由で効果的です。
犬の性格によって、驚かせる方法の中に必ず「これは嫌だから、もう吠えるのはやめておこう」と思わせるものがあります。それを見つけて吠えるのはそんなにいいことないよ、と教えてあげることが、司令塔として、スイッチを犬が自分で押すのを躊躇わせたり鈍らせたりする指示を出していることになります。
もう1つが、犬の本能行動の欲求を遊びで満たしてあげる、ということです。
たとえば、祖先犬が農場を走り回っていた犬種だとします。
普通の家で朝の散歩だけでその欲求が満たされるでしょうか?
人間の指示を読み取り頭を使って行動にしていた犬種が、可愛がられるだけの日々に満足できるかと言われれば、どこかで本能的な欲求を解消できないストレスを抱えてしまっていると考える方が正しいでしょう。
ボタンを押したり物を動かしたり、頭で考えて工夫を凝らすことでおやつにありつける仕組みになっている「犬用の知育トイ」や、「ドッグラン」で自由に走らせる、「ロープのおもちゃ」で力比べをして上げるなど、犬の本能的な欲求を満たした遊びでストレスを減らしてあげると、ストレスからの無駄吠えを抑えてあげることができます。
人間もイライラするとつい余計なことを言ってしまったりしますよね。
犬もイライラがたまると、憂さ晴らしに吠えてしまうのは当然のことなんです。
間違っても、「だめでしょ!」とカッとなって、犬を叩く、なんてことしないでくださいね。
犬のストレスを知って、それを取り除いてあげることで、吠えぐせをやめさせることができるでしょう。
刺激的な毎日で、犬の経験値をあげてあげよう
犬が激しく吠える原因の1番大きなものは、警戒心によるものです。
弱い犬ほどよく吠えるというのは、あながち間違ってはいないんですね。
警戒心は、狭い世界に生きると大きく育ってしまいます。
自分の家の中で、家族とだけ触れ合って生きているのは、安心かも知れません。
しかし、人間と暮らしている以上、家には宅配便もやってきますし、定期健康診断で、家を出て動物病院に行く必要もあります。
知らない人や他所の犬に出会う機会が少ないと、その子にとって、周りは信頼のおけない敵であり、どこまで警戒心を保てばいいかもわからず、常に最高潮の緊張感で警戒していなければなりません。
怖がりのせいで吠えぐせのつく犬、ついてしまった犬、その怖がりを和らげてあげるのも、やはり刺激なのです。
対処法としては、なるべくいろいろなもの、人、場所に触れさせてあげることです。
もちろん、いきなり長時間知らない場所に連れ出しては、犬も疲れてしまいます。
徐々に徐々に時間を伸ばし、徐々に徐々に世界を広くしてあげましょう。
まとめ
正しいしつけで、わんちゃんの吠えぐせや、問題行動を止める手助けをしてあげることが、わんちゃんのストレスを取り除き、長生きしてくれる秘訣にもなります。
ただ、「困った」と闇雲に怒るのではなく、その原因をつきとめて、わんちゃんのメッセージを感じ取ってあげましょう。
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